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離婚原因と、有責配偶者からの請求

夫の定年退職後に離婚した熟年夫婦の場合
協議離婚する場合には、夫婦の合意次第で、どんな理由でも離婚することができます。いえ、理由なんて必要ないとも言えます。この点は、調停離婚であっても同じです。しかし、訴訟で、判決によって離婚するためには離婚原因というものがあることが必要です。これがない場合は、離婚を認めないという判決が下ることになります。

離婚原因としては、民法に定められています。民法第770条1項に、次の5つが定められています。「相手に不貞行為があった場合」、「相手から悪意で遺棄された場合」、「相手の生死が3年以上不明である場合」、「相手が強度の精神病にかかり、回復の見込みがない場合」、「婚姻の継続が困難な重大な事由がある場合」の5つです。

もっとも、最近では、離婚原因を作られた方が訴えた場合でなく、離婚原因を作った方(有責配偶者)が訴えた場合でも、離婚が認められる傾向が見られます。もっとも、そのためには、婚姻関係が客観的に破綻していると客観的に認められることを大前提として、さらに厳しい判断が必要になります。判例上、有責配偶者から離婚を求める以上は、離婚することによって無責の配偶者の生活が酷な状態に追いやられないようにするための手当をすることが求められています。有責配偶者からの離婚請求が認められたリーディングケースとしての判例として、最高裁昭和62年9月2日判決があります。その事案では、離婚を求めた夫には愛人がいたのですが、妻の生活費も負担し続け、財産分与も提供することを申し出ており、別居生活が36年に及ぶこと、未成年の子どもがいないこと、などの事情を総合して離婚が認められたのです。

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